頭脳は天才、心は子供?-「最上の命医」- [drama]
主要男性登場人物の名前の読み方がめんどくさい、なんでこんな凝った読み方にしたんでしょうねぇ。
西條命(みこと)の意味付けはわかる気がするんですが、桐生兄弟の方がようわかりません。
って枝葉のネタを続けても面白くないですね。
さてと思いっきり端折ると、斎藤工さん演じる小児科医がある病院を変えていく、というお話。
ここ数年来は医療ドラマが多くて、なんとなく若干病名とか聞き覚えがあるおかげで、手術方法なども、途中まではふんふん、とわかった風に観ているわけですが、このドラマはそこから先がちょっと、というかかなり違う。
なにがどうあっても普通にやらずにアイデア出たとこ一本勝負。
しかも肝心かなめの部分は手術室まで秘密って、それは大丈夫なのか?
天才医師ご本人いわく、誰もができる手術でなければいけない、ってそれでその奇抜とも思えるアイデアは本当にアリなのか?
なんて思わないわけではないですが、そこをツッコんでいけばドラマは成り立ちませぬ。
本当の医療現場でこういう方法がアリかナシかは別にして、知識はなくてもそんなコトやモノってあるんだ、へえ、くらいは驚いたしその感情も新鮮に感じたし、何よりも命医師の無邪気な笑顔を前にして重箱の隅(よりでかいかもしれないが)をつつくのも面倒になったのも事実。
なんというか、西條命というキャラは、邪気のない子供、ですね。
もちろん不条理も知ってるし大人社会だのなんだのもとりあえずは知っている。
ただそれが自身に影響していないだけという。
これが一番信じられないというかあり得ない話かもしれません。
人間性善説を頭から疑ってないタイプなのかも。
こういう人間はタチが悪い。
何がどうあっても自分の信条が全てなので、周りはどうしてもそれに影響されて流れてしまう。
最後の砦の桐生奠もまたそんな命に意識を変えてしまうという大団円になってしまった。
などと書くとまるで西條命がいけないことをしているように聞こえるなぁ。
小児科医としては最強、経営を思えば最弱、といったところだろうか。
このドラマの中で心に響くのは「無限の樹形図」。
助けた一つの命はまた次の命を生みそれが永遠に続いていく。
中にはドロップアウト組やら手の施しようない厄災で一気にその樹形図が途絶えることもあるでしょうが、それでも可能性を常に残すことには違いない。
ということで、医者と患者の2者にフォーカスされがちな描写に映像の裏にあるそんな繋がりを想像して、ほんのちょっぴりだけどしんみりしてみた。
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